これはSplatoonのための記事ですが、Splatoonのプレイが上達するためのヒントを与えるものではありません。
SplatoonをはじめとしたFPSはゲーム環境を整えていく過程もまた非常にアーキテクティブで楽しい工程なので、そんな点に着目しました。
このテーマは、事業におけるプロダクト構想や、事業ドメインの観察から見出すアーキテクチャの設計方針などの工程と、非常に良く似ています。
ちょうど仕事上の役目がそんなですから、頭の体操にと書きはじめたシリーズです。
とりあえず、飽きるまで書いてみます。
Splatoonの基本的な世界観
Splatoon上では「オンラインで世界の誰かと戦う、もしくは協力する。」という非常にわかりやすい世界観が展開されています。
世界観の基本的な構築要素は以下の通りです。(ストーリーモードは除く)
- 基本的にチーム行動。4人1チーム。
- 単独参加の場合は4人のそれぞれ単独の参加者が自動的にマッチングしてチームを結成
- ペア参加の場合は2ペアがマッチングしてチームを形成
- チーム対戦は1:1で、複数チームが同じステージで同時に対戦することはない
- ステージはすべて対面対象
また、バトル参加者にはタイムアップの概念は存在しても、死んでゲームオーバーという概念は存在しません。
バトルに参加した場合は不幸にも撃ち抜かれて死んでも何度でも蘇りながら、時間いっぱいその場を楽しむことになります。
バトルには以下のバリエーションの明確な目的が設定され、チームはその目的の達成のために、それぞれの役割を精一杯こなし、勝利を目指すことになります。
- ナワバリバトル(3分):時間内により多くの面積を塗ったほうが勝利
- ガチヤグラ(5分):乗ると進むヤグラを、設定されたゴールまで進めると勝利
- ガチホコ(5分):メガ粒子砲の様なものを発射できるホコを持ち、相手陣地の奥にあるホコ台まで運べば勝利
- ガチエリア(5分):指定されたエリアを一定時間、一定面積以上塗りつぶし続けられたら勝利
- ガチアサリ(5分):アサリを10個集めるとできるデカアサリでゴール膜を破り、一定以上のアサリをゴールに放り込めたら勝利
シンプルな目的を達成するためのバトルをひたすらループし続けるだけのゲームですが、
世界のNintendoが何年にもわたって改良し続けてきただけあって、バトルの進行は非常に刹那的かつ戦略的であるにも関わらず、ものの3〜5分で結果が出るという子気味良いサイクルも相まって、非常に中毒性があります。
うちの妻はほとんど子供の頃にゲームをやってこなかったにも関わらず、Minecraftに次いでこのゲームにどっぷりはまってしまいました。
この凝縮された世界観をどのくらい濃く楽しむことができるかは、ゲーム環境にかかっています。
シビアなFPSはどれもそうですが、数msのタイムラグが勝敗を分ける世界です。
突き詰めれば突き詰めるほど、オンライン越しには見えない有利な環境を作り出すことができます。
上記の様なテーマ、我々エンジニアの出番だと思いませんか。
突き詰めの要素は様々ですが、このシリーズでは以下のどれかにフォーカスした様なテーマを取り扱います。
書きながらやっていますので、こんなテーマに着目してほしい、などあればリクエストもらえたら検討します。
- 数ms(ミリ秒)に向き合うために
- 操作精度と戦う
- 状況把握精度と戦う
- チーム・コミュニケーション
- 最適な機材の入手方法
- 振り返りという武器を手に入れる
- 可能な限りシンプルに(何を捨て、何を得るか)
次回からは単独プレイに関する環境を考えます。
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ところで、Makuakeで一緒にエンジニアリングしませんか。
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